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“名古屋Suica民”が、市営地下鉄 定期の損益分岐点を調べてみた【トバナイトリのひとりごと】

名古屋市内の通勤で“モバイルSuica”を使いたいけど、定期券との料金差はどれくらいなのだろうか?

私は通勤で“名古屋市営地下鉄”を使用しています。

ここで問題になるのが“manacaがApple Payで使えない問題”。名古屋には[manaca-マナカ-]という交通機関系ICが存在しますが、関東エリアの[Suica-スイカ-]のようにApple Payへ登録することができません。そのため当然ですが、iPhoneでmanacaの定期券を使うことができません。

カードでマナカ定期券を発行してしまえば簡単な話なのですが、私は忘れ物が多く、できうる限り荷物を削りたい…。

そこで定期券の損益分岐点を調べてみることにしました。Apple Payの“モバイルSuica”を利用した時、どういう条件だと損無く使えるかを計算してみます。

目次

結論:かなり条件は厳しい…。

やはり、定期券はかなりお得です。
名古屋で損無くSuicaを使うには、最低でも145日、最高で173日以上の年間休日で通勤のないハイパーホワイト企業で働く必要があります。

この時点でかなり無理ゲーな雰囲気が漂いますが、昨今のテレワークが絡むとかなりの可能性が生まれてくると思います。区間によって条件は変わってくるので、ここから細かく計算していきます。

ちなみに前提条件として、社会人が通勤で使用する場合として算出しています。学生だと料金が変わってくるので、以下の計算には当てはまらないです。

名古屋でSuicaを損なく使うのは難しい…。

名古屋市営地下鉄 料金の仕組み

通常利用

区間km別料金〔大人〕
1区3kmまで210円
2区7kmまで240円
3区11kmまで270円
4区15kmまで310円
5区15kmを超えるもの340円

名古屋市営地下鉄は距離によって1〜5区に分けられており、それぞれに“大人”・“小児”の料金が設定されてます。社会人が通勤で使用するという前提のため、“大人料金”で計算を進めていきます。

Suicaは通常利用料金が適用されるため、こちらの料金を基準に算出します。

定期券

区間\期間6ヶ月
1区46,120円
2区51,520円
3区56,540円
4区61,020円
5区65,130円

定期券も使用者の年齢でいくつかに分けられており、それぞれ“1ヶ月”・“3ヶ月”・“6ヶ月”で料金が設定されてます。一番お得な“6ヶ月”の定期券、かつ社会人が通勤で使用するという前提のため“通勤定期”で進めていきます。

6ヶ月定期券の損益分岐点は?

1区:110日以上

46,120(円)÷(210(円)×2(往復))=109.8(日)

損益分岐点は110日以上往復での利用でした。
半年が182.5日なので、半年の約6割以上使用すれば元が取れます。

2区:108日以上

51,520(円)÷(240(円)×2(往復))=107.3(日)

損益分岐点は108日以上往復での利用でした。
半年が182.5日なので、半年の約5.9割以上使用すれば元が取れます。

3区:105日以上

56,540(円)÷(270(円)×2(往復))=104.7(日)

損益分岐点は105日以上往復での利用でした。
半年が182.5日なので、半年の約5.7割以上使用すれば元が取れます。

4区:99日以上

61,020(円)÷(310(円)×2(往復))=98.4(日)

損益分岐点は99日以上往復での利用でした。
半年が182.5日なので、半年の約5.4割以上使用すれば元が取れます。

5区:96日以上

65,130(円)÷(340(円)×2(往復))=95.8(日)

損益分岐点は96日以上往復での利用でした。
半年が182.5日なので、半年の約5.3割以上使用すれば元が取れます。

こう見ると、定期券は長区間の方が元を取りやすい!

サラリーマンの利用日数は?

半年で124.5日利用

厚生労働省から出ている直近の資料からは、一人当たりの年間休日総数は“116日”みたいです。
そこから考えると、ざっくり半年で58日が休みだとして通勤は124.5日となります。

これを元に、半年で124.5日出勤すると仮定して、各区間ごとで定期とSuica利用時の差額を出していきます。

定期代わりにSuicaを利用した時の損失は?

1区:約15日分不足/約-6,090円

(124.5(日)-110(日))×(210(円)×2(往復))=6,090(円)

土日祝日以外、月2.5回以上地下鉄を使用しない平日があれば、通常利用の方がお得な可能性あり。

2区:約17日分不足/約-7,920円

(124.5(日)-108(日))×(240(円)×2(往復))=7,920(円)

土日祝日以外、月2.8回以上地下鉄を使用しない平日があれば、通常利用の方がお得な可能性あり。

3区:約20日分不足/約-10,530円

(124.5(日)-105(日))×(270(円)×2(往復))=10,530(円)

土日祝日以外、月3.3回以上地下鉄を使用しない平日があれば、通常利用の方がお得な可能性あり。

4区:約26日分不足/-15,810円

(124.5(日)-99(日))×(310(円)×2(往復))=15,810(円)

土日祝日以外、月4.3回以上地下鉄を使用しない平日があれば、通常利用の方がお得な可能性あり。

5区:約29日分不足/-19,380円

(124.5(日)-96(日))×(340(円)×2(往復))=19,380(円)

土日祝日以外、月4.8回以上地下鉄を使用しない平日があれば、通常利用の方がお得な可能性あり。

やはり区間が長くなる程、Suicaは不利…。

ただ、可能性も無くはない。

例えば条件の一番厳しい5区の場合、年間休日173日以上と通勤日数が少ない会社であれば、名古屋で問題なくSuicaを利用することが可能です。逆に一番緩い1区の場合でも、年間休日145日以上が条件となります。

日本の平均年間休日が116日であることを鑑みるに、かなり厳しいかもしれません。

しかし昨今はテレワークがあります。テレワーク時は通勤しないため、電車の利用は無いはずです。
するとだいたい月3〜5回のテレワークがある人は、充分 名古屋Suica民の射程圏内です。テレワークが始まってからも定期券を購入されていた方は、意外に定期券を買わない方がお得かもしれません。

私の場合テレワークは無いですが、月2~4回くらいは電車を使わない日があるので、なんとか名古屋Suica民をやれてます。

どちらにしても、名古屋でSuicaが厳しいことに変わりはないので、はやくmanacaがApple Payに対応してくれることを祈ります。

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